↑ カタカムナ文献 第43首



素粒子の量子状態から現象事象が発生するということは、確率的にしか計算できないのか?・・・
量子の不思議な振る舞いに、これまでの研究者達は翻弄され、上記の命題については、いくつかのスタンスをとっています。

シュレーディンガーは、自らの波動方程式に表された「ψ プサイ」は、量子の実体を表す波だと主張しました。
それに対して、マックス・ボルンは「ψ プサイ」は、量子そのものではなく量子が存在する確率の波を表していると主張しました。

「ψ プサイ」は量子の実体・・・を主張する→ ド・ブロイ、シュレーディンガー、アインシュタインなど
こちらを主張する人達の論説を「実在論」と言います。

「ψ プサイ」は量子が存在する確率の波・・・を主張する→ ボルン、ボーア、ハイゼンベルクなど
こちらを主張する人達の論説を「実証論」といいます。 

※ ボーアは量子論が完全だとは考えていません。
「量子力学は生命を説明するには十分ではない」という発言に顕著です。
ただ、それを完全に解明し、量子論を完全にした後でなくては、実用できないわけではないので、現状としては実用的に利用していこう(FAPP)という趣旨です。
それを、ボーアが所属していたコペンハーゲンの研究施設にちなんで「コペンハーゲン解釈」と呼びます。
「実証論」の命名の意味もよく分かりますね。

※ アインシュタインは、シュレーデインガーを「虚数を使う詐欺師」と揶揄していましたが、その量子論の捉え方としては、シュレーディンガーと同じく「実在論」なのです。
有名な「神はサイコロをふらない」の言葉は、この実証論との論争の際に登場しました。
同様に「シュレーディンガーの猫」も、量子の振る舞いの不思議さを示唆したというよりも、そんな馬鹿げたこと(生きている猫と死んでいる猫が半々の確率で存在している)は無いのだから、量子(量子の振る舞い、電子の波、物質波)は実在していて、現象の結果は定まっている・・・という「実証論」に対する反論です。


それでは、現在どのような主張が主流となっているのでしょうか?
その答えは実証論、つまり「ψ プサイ」は量子が存在する確率の波…の方です。
現行の科学全般に言えることですが、基礎研究はリスクが大きいので、実用可能な部分のみにスポットを当てれば、「成功」という功績を得やすいという研究者達の心理が、この状況に影響していると思います。

また、「ベルの定理(不等式)」を参照したアラン・アスペの実験では、実在論は否定され、その実験結果は、量子力学(量子論の後期に成立、つまり実証論)が正しいことが証明されました。
「生きている猫と死んでいる猫が半々の確率で存在している」という奇妙な状態が正しいということになります。
アインシュタインは「隠れた変数」があり、それが確認されれば、量子論の不完全さが証明されると考えていましたが、アスペは、ペアの量子のスピンを調べることによって、それが間違いであることを証明しました。
(この証明により、ただちに相対性理論を間違いとするのは極論だと思います。「同時性の捉え方を変更する必要が生じた」と考える方が無難であると、私達は考えています。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/ベルの不等式
http://ja.wikipedia.org/wiki/隠れた変数理論
http://ja.wikipedia.org/wiki/アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス

しかしこれには、抜け道があったのです。それは「隠れた変数」の在処です。
アインシュタインは当初それを「局所的な変数」と捉えていましたが、ド・ブロイの流れを汲むデヴィッド・ボームは、隠れた変数は「非局所的(大域的)な変数」と捉えました。

この考え方は非常にカタカムナ文献的です。
「局所的な変数」は「イ」に「イ」の結果を及ぼす何らかの量があると考えていると言えますが、「非局所的(大域的)な変数」は、それは「アマカム」にあるという捉え方です。
つまりボームは、量子にはポテンシャルがあり、それは実体とは異なるが、重なって存在しており、その量子ポテンシャルが実存する現象を決定していると考えているのです。
ボームはベルの不等式が間違っていると指摘しているわけではありませんし、アスペの実験の問題点を見つけたわけでもありません。現象を決定する変数を非局所的(大域的)なところに見いだしただけなのですが、それがとてつもない発見と言えるのです。
ボームは、結局のところ、量子論そのものを変更したわけではなく、捉え方を示しただけですので、「ボーム解釈」と呼ばれていますが、私は、量子論というものだけを考えた場合、量子論はボームによって、ほぼ完成したと考えています。(カタカムナ文献とは異なるところがあります。)

※ ボームは、ロバート・オッペンハイマーの弟子でしたので、その政治的陰謀による失脚に巻き込まれて、様々な迫害に遭いました。彼の根源的な平和主義が、当時のアメリカの政治スタンス(核兵器による共産主義への対抗)と
相反することから、大学を追われ、研究の機会を奪われました。
この辺りは、テスラなどとの相似が見受けられます。

参考までに、その他の物理学者のスタンスも紹介しておきますと・・・

コペンハーゲン解釈の流れには、多世界像(〜多宇宙論)を持つ一派があり、ヒュー・エヴェレットから始まった、その流れの代表格には、ホーキングが挙げられます。

相対性理論と量子論の共存として、新たなパラメータを必要とせず、解釈で取り扱えるというのが、ド・ブロイ、ボームの主張ですが、同じく相対性理論のエキスパートであるペンローズは、解釈ではなく、相対性理論と量子論の橋渡しには、新しいパラメータが必要であると考えています。
(※ パラメータとは、二つ 以上の変数間の関数関係を間接的に表示する補助の変数のことです。
カタカムナ文献では、この新しいパラメータは、単位、系を跨いでいく常用しているパラメータと考えています。)

ブライアン・ジョセフソンは、ボームの流れを汲んでいます。



お教えする内容のサンプル   「トキトコロ」量子論、超ひも理論などとの対比2…を追加しました。

カタカムナ文献 その信憑性についての考察
   5を追加しました。事前説明の参考にご覧ください。

カタカムナ文献 心、勘、直感、生物的本能について    カタカムナの示す人間の心情などについて。
                                言霊信仰などについて追記しました。

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